LaTeXでIPAを出力するにはTIPAを使うかXeTeX/XeLaTeXで直接unicodeのIPAをソースにタイプするのが一般的ですが,中にはXeTeX/XeLaTeXは使いたくない,でもTIPAはイタリック体が出せないから困る,という人がいます.そういう場合は,かなり古いですがEmma Peaseのphoneticパッケージを使うと良いです.TIPAほど様々な音声記号を出力できるわけではありませんが,上述のような希望を持っている人は音声学・音韻論というよりも類型論などで言語記述にIPAを使いたいという人でしょうから,何とかなることも多いかと思います.
以下が使い方です.
- まずphoneticパッケージのサイトに行き,右側のDownloadからzipで圧縮されたファイルをダウンロードして解凍します.解凍すると直下にmfファイルがたくさん(17個)あります.
- $TEXMF$/fonts/source/の中にフォルダを作って(フォルダの名前はphoneticとでもしておけばよいでしょう),上の17個のmfファイルをすべてそこにコピーします.
- 上で解凍してできたディレクトリのDoc/2eの中にphonetic.styがあるので,それをいつもstyファイルを保存している場所にコピーします.Doc/209にもphonetic.styがありますが,別物ですので注意してください(いまどきここまで古いバージョンのLaTeXを使っている人はいないでしょう).
- 必要ならmktexlsrしてください.
- あとは使いたい文書のtexファイルに\usepackage{phonetic}でstyファイルを読み込んで,上のDoc/2e内にあるphonetic-table.pdfを参考に本文で出力します.一応以下にphonetic-table.pdfからの抜粋を載せておきます.