予定通り,今日は研究室の荷物の搬入を行った.事務室で鍵を受け取って,早速研究室に向かう.私の研究室は結構年代物の建物の中にあるのだけど(昔イギリスの某有名大学の建物を`old’と言ったら,`classic’だと訂正されたのを思い出す),中は綺麗に掃除してあって,机とか椅子も新品のものを入れてくれたようだ.ありがたい.廊下や階段なんかも掃除が行き届いていて,1階受付の警備員さんたちの愛想もよい.学部時代通った阪大文学部も同じような年代の建物だったが,掃除なんて適当で実に汚かった.この辺が国立と私立の違いか・・・.
窓の外を見ると,大きな墓地がある.この建物の南側には宝泉寺と法輪寺という割と大きなお寺があるようである.気にする人は嫌がるかもしれないが,私は別にお墓なんて気にしない(というか墓地を破壊してその上に建物を作るより,墓地を残して横に建てる方が良かろう).視線を上げると,早稲田高校の校舎の上が野球のブルペンになっていて,球児が投球練習をしている.大都会ではあるが,中々和む風景である.
4時頃に業者から電話がかかってきて,キャンパス内にクラブやサークルの勧誘のための机や椅子がところ狭しと並んでいて,4tトラックが入れなくて困っている,とのこと.そう言われても,私にはどうしようもないのだが.なんとかどけて入ってこられたみたいで,せっせと荷物を入れてくれる.一人でやってきたそうで,重い本が詰まった段ボールを40箱も運ぶのはさぞかし大変だったと思う.
全部運び入れた頃には,もうすっかり日も暮れていたので,取り敢えず重要な専門書だけ本棚に入れ,帰宅.夕方の帰宅ラッシュにもろにぶつかって,高田馬場あたりはずいぶん混雑していた.ああやって人波に乗って,夕方の電車に乗り込むと,自分も社会人の端くれになった気がするから不思議である(今までは社会人じゃなかったのか).私は別に急ぐ必要もないので,各停に座って,ゆっくり本を読みながら帰ってきた.
明日は入学式である.新任教員なので(?)出なければならない.10年以上前の自分の学部の入学式は大阪府立体育館であったが,つまらなくてすぐに帰ってきたので,大学の入学式をまともに出るのはこれが初めてのようなものだ.