もう9月も折り返し地点である.気がつけば,もう半袖では肌寒く,研究室のエアコンも不要になる季節になっている.北海道産の秋刀魚を肴に一杯やるというのがこの季節の小確幸.
先週後半は慶應SFCで日本認知科学会が開催された.私は結局興味のある発表があった初日だけ参加したのだが(SFCって微妙に遠いから,よっぽど聞きたい発表がないとわざわざ毎日通う気にならなかった),招待講演の神戸大の定延さんは「体験」というものの言語における位置づけを,経験的データを元にユーモアを交えながら発表されていて,とても面白かった.今度ご著書を拝読したいと思う.
今週は教授会を始め諸々の会議があったり,書類を作ってNYのとある知り合いに送ったり,科研費の書類をぼちぼち進めたり(大阪大学理学研究科の山中さんが今回も科研費LaTeXの提供を開始して下さった.ありがたい),頼まれていた論文査読をしたり,慌ただしい.再来週には後期も始まるので,巷で言われているシルバーウィークなんて我々には無縁である.企業の人も決算前で忙しいに違いない.
そんな中,大学に届いていたNew Scientistの特集は中々面白い(イギリスからの国際郵便なので少し前の8月29日号ではあるのだが).特集は次元(dimension)についてで,0次元,1次元,1.5次元,2次元,3次元,4次元,5次元,6次元,8次元,10次元とそれぞれについての話が載っている.知覚を超えたものを考えるというのは,自然科学の神髄である.知覚できるものだけを見ていても深い発見は得られないというのは,言語学にも当てはまる.