先日ひつじ書房からの「ひつじメール通信」で知ったのだが,大修館の月刊『言語』が12月号で休刊になるらしい.割と普通の書店でも売っているし,それほど値段も高くないし,大手と言ってよい大修館から出ていたわけだから,突然の知らせで驚きである(研究社の『英語青年』休刊のときも同じ印象を持ったが).
月刊『言語』は,専門書というわけではないが,所謂語学書でもない,割と先端の言語学研究をそこそこ教養のある人なら分かるように提供する良心的な雑誌だったと思うのだが,やはり巷に言語学に興味のある人は少ないということか.鉄道雑誌やカメラ雑誌なんて,かなり高価でもそこそこ売れるらしいから,やはりこの手の雑誌は「マニア」がいないと成り立たないのかもしれない.
『英語青年』休刊のときにも似たようなことを書いたが,休刊になりそうだと分かっていたら,支援の意味で定期購読したのになぁ,という研究者はけっこういるのではないだろうか.こういう雑誌は大学図書館にはほぼ間違いなく所蔵されているので,図書館に行ったついでにぱらぱら見て,興味のある特集が載っているときだけ生協の本屋にでも寄って購入する,という程度の読者は私だけではない気がする.
今月の特集は何かなとチェックしてみたら,裁判ことばの言語学(法言語学)だった.私の同僚の首藤さんも書いておられる.裁判員制度も運用が始まり,最近ひつじ書房からも『裁判とことばのチカラ』も出版されたことだし,この辺を素早くフォローするあたり月刊『言語』らしい.残念だなぁ,休刊.