実は先週「口蓋扁桃摘出術」という手術を受けて,術後大変な痛みに苦しめられていたのだけど,今朝術後の検診で経過が順調ということで,運動制限も食事制限もなくなった。コーヒーも無事飲めるようになって,ランニングも再開できそうで,実に清々しい気分である。再開して早々病気の話というのもなんだけど,ブログ再開のきっかけでもあるので,経緯を詳細に記録しておきたいと思う。
7月下旬,右側の喉が扁桃周囲膿瘍になってしまった。幼少期から扁桃が大きく,風邪や体調不良は大体喉から始まるので,今回もただの風邪だと思っていたのだけど,痛みが尋常じゃない。近所の耳鼻科に罹ったところ,その時点では重度の扁桃炎だとの診断。抗生剤と痛み止め(アセトアミノフェン)を処方され,その日の午後は無理やり会議に出て,翌日も授業をする(最終週で試験だったことが幸いし,喋る必要なし)。
抗生剤が効いている感じもなく,痛みはどんどん酷くなり,痛み止めが効いている時にかろうじてゼリー飲料を摂取できるかできないかくらいまで悪化。唾を飲み込んでも激痛,水すら飲めない状態になってきたので,再度耳鼻科を受診。炎症が悪化し,膿が扁桃周囲に広がる扁桃周囲膿瘍にまでなってしまっているとの診断で,こうなると抗生剤は効かず切開手術しか治療法はないため,先生がその場で近所の大学病院に電話をかけてくれる。
すぐに大学病院で診てもらい,その場で局部麻酔をし切開手術を受ける。おびただしい量の膿が血とともに出てくる。ただ痛みはその瞬間消え去り,2時間ほど点滴と抗生剤を投与され,帰宅。もちろん切開しているので,その痛みはあるが,膿が溜まっている時の痛みとは比べ物にならないくらい軽く,やっと地獄の痛みから解放される。
1週間後,経過観察で再受診。切開部分はほぼ完治していて問題ないが,一度の扁桃周囲膿瘍になると扁桃から周囲へ「道」のようなものができてしまい,また酷い扁桃炎になった際に再び膿が流れ込んで再発する可能性が高いと告げられる。あんな痛みはもうごめんだし,再発すると現在の役職上多大な支障が出るので,扁桃摘出手術を受けることを決意する。
手術の2週間ほど前に手術前の検診というのを受ける。採血から始まり,心電図,胸部X線,歯科,麻酔科の問診などなど,色々検査項目があり,それぞれにそれなりの待ち時間があるので,朝9時から昼の2時くらいまでかかった。幸いどの項目も問題なく,無事手術OKとなる。ちなみにただ喉の扁桃を切除するだけではあるけれど,全身麻酔で行う割と大掛かりな手術で,歯科を受診するのも全身麻酔時の呼吸用の管を口から出し入れする際に歯が大丈夫かをチェックするためらしい。日程は手術前日に入院,手術の2日後に退院ということになる。ネットで調べたところだと術後1週間くらい入院することが多いようなので,かなり早い。理由はよく分からない。
手術前日の朝10時半から入院。朝から入院することもないのではと思わないでもないが,入院し病院食の昼ごはんを食べ,手術の説明を受ける。夕食も病院食。食べるのは21時まで,水も夜中0時までで,それ以降は飲食一切禁止。手術当日起床し,検温と血圧測定。手術着に着替え,9時過ぎから点滴を投与される。足のむくみを防ぐためということで,支給されたタイツを両足に履く。
13時15分に点滴を受けたまま手術室へ移動。装身具は一切着用不可なので,コンタクトもメガネもつけられないが,裸眼だと歩くのも困難なので,メガネは着用し,到着後看護師さんに渡して部屋に持って帰ってもらうことに。
心電図に繋がれ,酸素マスクから全身麻酔開始。すぐに気を失い,それ以降の記憶はない。目が覚めた時には手術が終わっていて,そのままベッドに移され,看護師さんによって病室に運ばれる。朦朧とする意識の中で看護師さんに「奥様には連絡した方が良いですか?」と聞かれる。自分でいつ連絡できるか分からないので,電話で手術が終わったことの連絡だけお願いする。
全身麻酔をしたので,術後3時間は酸素マスクをしたまま。痛み止めは点滴経由で投与してもらっているが,それでも喉が痛いのと痰が絡むので,ナースコール。酸素マスクを自分で外して,ティッシュに吐き出すように言われたので,以後は自分で頻繁に痛みに耐えながら,血混じりの痰を吐き出す。とにかく喉が痛く,飲み込めないので痰と唾が出てくるのを恨みながら耐える。ベッドを倒して寝転ぶと喉に痰が行きやすくて辛いので,かなりベッドを起こした状態のままにする。
酸素マスクが取れ,夕方担当の先生が見に来てくれる。普通に夕食は出てくると思いますが,無理せず食べられるなら食べてみてくださいとのこと。その夕食メニューは天ぷらの盛り合わせ(エビ,ピーマン,芋など)などなどでとても食べられる気がしないので,一緒に出された痛み止め(カロナール200)だけ飲んで,一切手はつけない。ご飯は蓋を開けていないけど,多分お粥だったと思うので,無理すれば食べられたかもしれないが,痛みでそれどころではなかった。
夜中は寝落ちする→痰が絡み痛みで目覚める→血混じりの痰を吐き出す→寝落ちするの繰り返し。かなりきつい。服用した痛み止めが切れたので,点滴がなくなったタイミングで看護師さんにお願いして点滴経由で痛み止めを投与してもらう。こちらの方が効きが良く,大分痛みがましになる。
翌朝,痛みは酷いが7月の扁桃周囲膿瘍に比べるとまだましだったので,痛み止めを飲み,結構ボリュームのあった朝食(お粥,ひじき煮,高野豆腐と卵,ブロッコリー,スープ,牛乳)を完食する。看護師さんにこの手術は3,4日間痛みで何も食べられない人が多いんですよ,と驚かれる。痛み耐性が強いのか,食い意地が強いのかは不明。痛み止めとともにうがい薬も出され,これは1日3回粉末を100mlの水に溶かして使う。昼食もほぼ食べたが,トマトだけは酸味が傷に染みてだめだった(後にトマトはこの手術後はNGの食べ物だと知る。抜いておいて欲しかった…)。
昼過ぎに担当の先生に診てもらい,出血もほぼ収まり,経過も順調,食事も採れているので,明日朝問題なければ予定通り翌日退院だと言われる。痛みはかなりあるものの,前日のようにひっきりなしに血混じりの痰を吐き出すようなこともないので,iPad miniにダウンロードしておいたhuluの動画などを見て過ごす。
翌朝,検温と血圧測定,朝食の後,担当医のチェックがあって,問題なしということで退院となる。すぐに荷物をまとめ,手続きをし10時過ぎには病院を出る。費用は大学の健康保険適用により自己負担3割で10万円弱。相場が分からないのでこれが高いか安いか分からないけど,綺麗な大学病院で,対応もとても良かったし,入っている医療保険でこれ以上の額が給付されるので,私的には高いとは思わなかった。
自宅に戻ってからは,食事に気をつけながら,無理をせず過ごす。痛み止め(カロナール200)は退院後2日でなくなってしまった。痛みはそれほどなかったけど,頭痛が結構あったので,自宅にあったアセトアミノフェン(ナロン顆粒)を時々飲んだ。日に日に痛みは和らぐけれど,喉の奥の方と舌の付け根辺りが張る感じは術後1週間経っても残る。食べ物を飲み込む時の痛みはほぼなくなったが,欠伸をするとその張っている部分が伸びるからか痛い。
1週間後(本日),再度受診をして担当医の先生に診てもらう。わずかに瘡蓋が残っているものの,ここから出血する可能性はほとんどなく経過順調。運動制限も食事制限もなくなった。手術1か月後くらいのタイミングで再受診して,最後のチェックとなる模様。
結構大変な手術ではあったけど,あの悪魔のような扁桃周囲膿瘍の恐怖から解放されて,私的には大変満足である。ネット情報で調べた感じだともっと時間がかかるかと思ったけど,手術後1週間でここまで回復したのも良い意味で予想外だった。これが個人差なのか病院の施術の違いによるものなのかは不明。