国研コロキアム

GWも私はぽつぽついくつか打ち合わせが入り,奥さんも仕事があったりして,なんだかよく分からないうちに終わった.まあ春の連休の教訓もあるので,特にイベントもなく過ごすというのが正解だとは思うが.

先週末は早稲田の高等研究所の知り合いが誘ってくれた国立国語研究所のコロキアムに行ってきた(Google検索でいまだに旧ページがトップにくるのは,どうにかした方が良いのではないだろうか).今回のコロキアムは,私も元指導教官のAndrew Spencerを経由して間接的によく知っているAndrej Malchukovのトークである(AndrewとAndrejはThe Oxford Handbook of Caseの共同編集者である.Elsevierから出ている本に私とAndrewの論文とAndrejの論文が一緒に載っていてお互い知っているというのもある).
いつもとは逆方向の電車に乗って,玉川上水で多摩モノレールに乗り換えて高松という駅で降りたのだが,道路も歩道・自転車道も広く,無機質な建物群と広々とした芝生が目立っていて,なんだか「つくば」とか「けいはんな」に似た雰囲気の場所である.ここにアメリカ軍がいたのか,と思いながら歩いていくと,ほどなくして国立国語研究所に到着.2005年に建てられたばかりで,名前のイメージとは裏腹にピカピカモダンな研究棟である.
トークは格についてで,広範なデータとそれらの機能的および最適性理論での分析が秀逸で面白かった.私は博士論文がまさに格についてなので,データ自体はほぼ全部身近なものだったが,私は数理的な分析が主なので,機能的なアプローチは中々新鮮であった(ちなみに日本ではなぜか機能的というと認知言語学的と考える人が多いようだが,何故だろう?).トークの後,他の参加者と一緒に立川で夕食+飲みに行くこともできて,そちらもひじょうに楽しかった.
格はなんせずっと博士課程の間研究してきたので,ここしばらくあまり食指が動かなかったが,やはり面白いテーマなので,またぼちぼちより深めた研究をやってみようと思う.類型論の講義でも,格は割と学生が興味を持つトピックだし.

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