世間で報道されている通り,昨日,今日と大学入試センター試験であった.私の勤務校も試験会場であったが,私は試験監督などには当たっていないので,特にすることはない.ただ,自分の研究室に行くことができないので(ひょっとしたら問題なく使えるのかもしれないけど,ややこしいことになると嫌なので),家でのんびり過ごす.気候的には,晴れたり,雨が降ったりで,雪も溶けて,受験生たちにとってはよかったのでは.ご近所の福井大学では時間計測のミスがあったみたいだけど,うちの大学は特に混乱はなかったようだ.
センターの期間,時間をつぶす読みものを探し,先日研究室の本棚を眺めていると,佐倉統さんの『進化論という考え方』(講談社現代新書)を買ったままで読んでいなかったのに気付いた.さらっと読んでみると,「社会」と「情報」という切り口で,進化論の様々な適用を論じていて,中々面白かった.色々賛否はあるようだけど,進化論の歴史や,生物進化の中心点は抑えてあったし,どのトピックでも基本的な文献は抑えてあって,手堅い本ではないだろうか.元々私はドーキンスやダニエル・デネットが好きなので,視点に共感できる部分が多かったのかもしれない.
今晩はCSのヒストリーチャンネルで『地球大進化』の第2回を見ていた.元々NHKが制作したドキュメンタリーらしく,全球凍結仮説(スノーボールアース仮説)を分かりやすく説明していて,ど素人の私が酒を飲み,鍋をつつきながらでも,理解することができた.ああして,長い時間軸で地球の進化(変化)なんていうものを考えていると,現在馬鹿の一つ覚えみたいに「地球環境」,「エコ」,「地球に優しい」,「Save the Earth」なんて言ってるのは,まったく見当違いだというのがよく分かる.北極の白クマまで出してきて,実にしたたかだ.「我々人間が生き残るため」とはっきり言えばいいのに.